ゆうらす第17号
 


 
シベリアの古都に響く歌声
合唱団「道」 佐藤孝一(神奈川県)
 50名をこえるわれわれ横浜の合唱団「道」の一行は、成田空港から最初の訪問地であるシベリアの古都、イルクーツクへと旅立った。いったんモスクワまで飛んで国内線に乗り換え、シベリアへまた戻るという長い長い空の旅の末、イルクーツク空港に到着したのは翌日の朝だった。
 コンサートまでまだ一日あったので、われわれは長旅の疲れをものともせずに早速バイカル湖へ向かった。数々のロシア民謡にも歌われたこの湖のほとりで歌を歌ったり、日本人墓地を訪問したり、湖畔でロシア式のバーベキューを楽しんだりして、ロシアでの最初の日を過ごした。
 次の日はイルクーツクでのコンサートの日だが、リハーサル前の午前中には市内巡りをした。私達を魅了したのは、市内にある普通の民家の窓枠に木彫りの窓飾りが施され、しかも各家それぞれに独自の工夫がこらされていたことである。それがシベリアの古都の風情をかもし出していた。都市化が進むなかで保存は大変だろうが、ぜひともこの町を代表する景観としてこれからも残してほしいと願う。
 午後からいよいよコンサート会場へ。会場となったのは革命前からの建物である古い音楽劇場で、ピアノもガタガタだったが、観客は満員!リハーサルもそこそこにすぐに本番となる。第一部は、共演する地元の合唱団である「ドメスティック」の演奏。ソリストたちはプロ並みの高いレベルだった。そして第二部は我が合唱団「道」の登場である。曲目は、大漁歌い込みなどの日本の歌から始まり、後半はロシア民謡、最後のアンコールは「モスクワ郊外の夕べ」だった。遠来の合唱団、それも日本人ということで、歌いはじめから観客の温かい眼差しと大きな拍手をいただけたことに感謝!後半は熱狂的な拍手となり、これには歌うわれわれも感激した。歌い手と聴衆が一体となった会場は一曲が終わるごとに総立ちの状態となり、終了後もサイン攻めにあったほどであった。  翌朝われわれはこのコンサートの熱い思い出を胸に、アンガラ河畔の古都に別れをつげ、次の公演地であるモスクワへと向かった。
 (2001年8月)

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